代替食品ライフ

代替食品は本当に安全?気になる添加物のこと、分かりやすく解説します

Tags: 代替食品, 安全性, 添加物, プラントベース, 食品表示

代替食品への関心と安全性への疑問

近年、健康志向の高まりや環境問題への意識から、プラントベースフードや代替肉といった代替食品が注目されています。スーパーマーケットでも様々な種類の製品を見かけるようになり、ご家族の食卓に取り入れてみたいとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

一方で、新しい食品である代替食品に対して、「本当に安全なのでしょうか」「どんなものが使われているのでしょうか」といった疑問や不安をお持ちになるのは、自然なことです。特に、ご家族の健康を気遣う立場としては、口にするものが安全であるかどうかが気になるところでしょう。

この記事では、代替食品の安全性について、特に気になる方も多い添加物について、国の基準や表示の見方など、分かりやすく解説してまいります。

食品の「安全」とはどのように考えられるか

まず、「食品の安全」とはどのように考えられているのでしょうか。私たちの周りにある食品は、伝統的なものから新しい技術を使ったものまで、全てが何らかのリスクを含む可能性があります。食品の安全とは、これらのリスクを科学的に評価し、適切な管理によって、人の健康に悪影響を与える可能性を限りなく低く抑えることを意味します。

日本では、食品衛生法という法律に基づいて、食品の安全性が確保されています。新しい食品や技術についても、科学的なデータに基づいて安全性が評価され、国の基準を満たしたものだけが流通しています。代替食品についても、例外なくこの法律や関連する基準に則って製造・販売されています。

例えば、新しい食品素材や特定の製造方法が用いられる場合、食品安全委員会などが専門的な評価を行い、その安全性が確認された上で、厚生労働省が基準や規格を定めています。私たちが普段目にする代替食品の多くは、こうした国の厳しい評価を経て市場に出ているものと言えます。

代替食品に使われる添加物について

代替食品、特に加工度の高い製品においては、様々な目的で食品添加物が使用されることがあります。添加物と聞くと、漠然とした不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、食品添加物は、食品の品質を保ち、安全性を確保し、あるいは美味しさや利便性を高めるために、長い歴史の中で開発されてきたものです。

代替肉などの製品において添加物が使用される主な目的は、以下のようなものが挙げられます。

これらの食品添加物も、食品衛生法に基づいて使用できるものが定められており、それぞれに厳しい使用基準や制限が設けられています。例えば、使用できる量の上限が定められていたり、特定の食品にしか使用が認められていなかったりします。これらの基準は、動物試験やヒトでの研究データなどに基づき、生涯にわたって毎日摂取し続けても健康への悪影響がないとされる量(一日許容摂取量: ADI)をもとに、安全側に十分な余裕をもって設定されています。

日本で使用が認められている食品添加物は、食品安全委員会の安全性評価を受け、人の健康を損なうおそれがないと認められたものだけです。そして、その使用基準も国際的な基準(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議: JECFAなど)を参考に設定されています。

表示を確認することの重要性

ご家族の食卓に代替食品を取り入れる際に、どのような添加物が使われているのかを確認したい場合は、製品の「原材料名」表示をご覧ください。食品表示法により、使用した全ての原材料と添加物は、原則として重量の多い順に表示することが義務付けられています。

添加物については、「原材料名」欄の中に、他の原材料と分けて記載されるか、または「添加物」という項を設けてまとめて記載されています。表示名称は、物質名で記載されるのが原則ですが、一部用途名(例: 糊料、着色料など)と併記される場合もあります。

例えば、ある代替肉製品の原材料名が「粒状大豆たん白、植物油脂、砂糖、しょうゆ、食塩、酵母エキス、香辛料、加工でん粉、増粘多糖類、カラメル色素、香料、pH調整剤」と表示されている場合、太字の部分が添加物です。

この表示を確認することで、どのようなものが使われているのかを知ることができます。もし、特定の添加物を避けたいとお考えであれば、この表示を見て製品を選ぶことができます。ただし、添加物について不安を感じる場合でも、国の基準に基づいて安全性が確認されていることを理解しておくことが大切です。

賢く代替食品を選ぶためのヒント

代替食品を安心してご家族の食事に取り入れるためには、以下の点を参考にしてみてください。

  1. 表示をよく確認する: 原材料名や添加物の表示を確認し、使用されているものを把握しましょう。分からないことがあれば、メーカーのウェブサイトなどで情報を得ることもできます。
  2. 製品の種類を知る: 代替食品には様々な種類があります。大豆ミートのように比較的シンプルなものから、肉や魚、卵、乳製品などを精巧に模倣した製品まであります。加工度の低いものから試してみるのも良いでしょう。
  3. バランスの取れた食事に取り入れる: 代替食品は、あくまで様々な食品の選択肢の一つです。代替食品だけを偏って食べるのではなく、野菜、穀物、豆類、きのこ、海藻など、多様な食品を組み合わせ、バランスの取れた食事の中で活用することが最も重要です。
  4. 過度に不安がらない: 表示されている添加物は、国の基準で安全性が確認されたものです。過度に不安を感じすぎず、正しい知識に基づいて判断することが大切です。どうしても気になる場合は、特定の添加物を含まない製品を選ぶことも可能です。

まとめ

代替食品は、プラントベースの考え方や新しい食の選択肢として、私たちの食卓を豊かにする可能性を持っています。安全性や添加物について疑問を持つことは、ご家族の健康を考える上で非常に大切な姿勢です。

代替食品の安全性は、日本の厳格な食品衛生法に基づき、科学的な評価を経て確保されています。使用される添加物も、安全性が確認され、厳しい基準が設けられています。製品の表示を確認することで、使われているものを知ることができます。

正しい情報を得て、表示をよく確認しながら、代替食品をバランスの取れた食事の中に上手に取り入れていくことが、新しい食生活を楽しむための鍵となるでしょう。ご家族皆さんで、多様な食の選択肢を安心してお試しいただければ幸いです。